大島(東東京)の快進撃が止まらない。男子部員11人の「島の子イレブン」は足立工相手に計13安打を放ち、先発全員となる11得点を挙げた。エース荒田奏斗投手(2年)は1失点ながら7連続三振を含め4回8奪三振。2試合連続のコールド勝ちとした。大会中は試合日に合わせて船で島から移動する。海の日の3連休を前に船のチケット入手に悩まされる中、1時間3分で試合を終え、余裕で帰りの船に間に合った。

 1点の先行を許しても、大島イレブンは慌てない。1回1死一塁とすると、3番の諸田啓人捕手(3年)の三塁打ですぐさま追いついた。さらに2安打が出て勝ち越し。3回には死球を挟んで6連打するなど7得点。早々と勝利を決めた。3回にも三塁打を打った諸田は「外に来た球を、素直に打ち返しました」と冷静に話した。

 大森との1回戦に続くコールド勝ち。天野一道監督(49)は、午前11時59分の試合終了を何より喜んだ。「2時(15分)の便に間に合います。遅くなったらタクシー(で竹芝旅客ターミナルへ移動)も考えていたんです」。連休前で残る夜11時発の便はすでに満席。午後2時15分の船に乗らないと、帰島はかなわないところだった。

 そんな思いを知ったかのようなスピード決着。先発の荒田は立ち上がり球が高めに浮き、2安打で1点を失った。それでも2回からはスライダーを生かし、4回先頭まで7連続三振を奪った。「島に人工芝がないんで、ゴロを打たせるつもりだった。なのに三振になってしまいました」。三振の山を喜ぶどころか、次戦に向けた内野陣の練習ができずに反省した。

 これで3回戦進出。2年前には4回戦に進出しているが、1大会2勝ということで並んだ。次戦は17日、駿台学園と対戦する。「いつも試合の前日にこっちに入るんですが、16日が満員で、15日に来ることにしました」。選手の頑張りで、天野監督にはうれしい悩みが続く。【米谷輝昭】