伝統校の向陽が、エース小林亮太投手(3年)の好投で3回戦進出を決めた。初回の2死満塁のピンチを無失点で切り抜けると、危なげないピッチングで8回を投げ、許した安打はわずか2。9回は松野椋太投手(3年)にマウンドを譲ったが「初戦にしてはいいピッチングができた」と完封勝ちに貢献した。

 向陽は1921年(大10)に創部で、旧制の海草中時代に1939年、1940年の夏の甲子園を連覇した伝統校。39年は伝説の投手・嶋清一さん(享年24)を擁して優勝した。小林は嶋さんについて「甲子園で準決勝、決勝とノーヒットノーランされたということは記憶に残っています。雲の上の存在ですごすぎる方だけど、向陽のピッチャーが最大の目標にするなら嶋さん」と偉大な先輩の背中を追い続けている。