「クマ」の熱い夏が終わった。南会津(福島)は第8シードいわき光洋に0-7の7回コールドで敗れ、16強入りした93年以来25年ぶり2度目の夏2勝を逃した。

 敗れはしたが、「クマ」の愛称で親しまれた身長159センチ、体重94キロの4番酒井俊作一塁手(3年)が初戦に続いてムードメーカーぶりを発揮。涙を封印し、高校最後の夏を終えた。5回にはチーム初安打で出塁したが、捕手けん制で次打者との三振併殺に倒れ、まさに、クマがわなにはまってしまった。

 一塁側には約250人の応援団。最後は「ちょっと泣きそうになりました」と作り笑顔で涙をこらえた。1日5合以上の白米を食べる大食漢は来春、調理師学校に進学予定だ。「料理するのが好きなんです。将来はイタリアンの総料理長になりたい」。バットを置いたクマが、料理界でヒットを飛ばす。【佐々木雄高】