府立の四條畷(しじょうなわて)は、1回戦の関西創価に続く、私学撃破はならなかった。辻野茂樹監督(56)は「普通の公立校が、近くにある強豪私学さんにどうしたら勝てるのか、と3年間やってきた。関西創価さんに見事に勝てて、先のことを考えていなかったのが正直なところです」と心境を口にした。

 6月下旬の抽選会。強豪ひしめくゾーンに決まると、辻野監督は「ショックを受けました」と落ち込んだが、選手たちは「よし、やるぞ」と燃えていた。平日の練習時間は1時間半。グラウンドはサッカー部、ラグビー部、ソフトボール部、陸上部との兼用で、打撃練習は朝しか行えない。それでも集中力と「ナワテの神髄」という辻野監督の素早いノックを受け、技術を磨いてきた。13日の関西創価との1回戦は堅実な守備で1-0の完封勝ち。16日の大阪桐蔭戦までの2日間は、外野守備練習で通常より7、8メートル後ろに守るなど対策を重ねた。

 迎えた試合当日。初回は無失点で切り抜けたが、2、3、4回と連続で失点。深く守る外野手のさらに頭上を、大阪桐蔭の打球が越えていった。9-0の7回コールド負け。辻野監督は「団結力、集中力、声、さすがに今日はそれが通じなかった」と振り返った。それでも中堅を守った森口光外野手(3年)は「打倒大阪桐蔭でやる気まんまんでした。(対戦してみて)想定以上ではなかった」。点差はあったが、3年間の手応えを手にした。【磯綾乃】