<高校野球東兵庫大会:県伊丹5-0神戸商>◇16日◇2回戦◇明石トーカロ球場

 オールドファンには注目のカードだった。明石トーカロ球場の第2試合、神戸商-県伊丹。第1回の地方大会に出場した伝統校同士の戦いは、県伊丹に軍配が上がった。

 兵庫県内で第1回の地方大会に出場し、現存するのは5校。兵庫、神戸、関西学院、神戸商はいずれも甲子園出場経験を持つ。県伊丹のOB会長の多田仁三さん(66)は「5校でうちだけ甲子園に出ていないのが悔しいんです。とにかく出たい」と力を込める。OB会では第100回という節目の記念と現役ナインの活躍を願って、帽子を作成。スタンドには帽子をかぶった大勢のOBが声援を送った。

 勝利を手繰り寄せたのは執行(しぎょう)大成投手(2年)だ。ちょうど1年前、1年生で2回戦の市西宮戦に先発。県屈指の好投手・山本(現中日)と投げ合い、敗れた悔しさを晴らそうと懸命に腕を振った。8回途中まで投げ、5者連続を含む12奪三振の快投。「第100回大会ですし、第1回から出場してきた伝統校の意地を見せたいです」と意気込む。「これだけの歴史をつないできたことは胸を張っていいと思います」と同部OBの内藤祐司監督(35)。歴史の後押しを受け、念願の初聖地を目指す。【吉見元太】