南北海道大会は準々決勝３試合が行われ、４強が出そろった。春夏連続の甲子園出場を狙う駒大苫小牧は、３連覇中だった北海を８－１の７回コールドで下し５年ぶりのベスト４。

　３－１の３回２死満塁、駒大苫小牧の６番弓田は、迷いなく北海エース井平の初球スライダーに食らいついた。打球は左中間を抜け、走者一掃の適時二塁打。「気持ちで打った。試合に出してもらっている責任を、何とか結果で示したかった」と前を向いた。

　初戦の札幌白石戦は３打数無安打。弓田や、同じく無安打の５番川口らは試合後、札幌市内のグラウンドに移動し１時間の緊急打撃練習を行った。佐々木孝介監督（３１）は「１～４番までは当たっているからマークされる。下位打線の３年生がラッキーボーイになってくれ」とげき。その思いに応え、昨夏王者を突き放す貴重な一打を放った。

　今春センバツは控え捕手でベンチ入りも、出場はなかった。春は正捕手の荻田が遊撃手を務め、代わりにマスクをかぶったが、全道大会初戦で敗れた。夏は、２年辻本が成長し遊撃に入ったため、荻田が捕手に復帰し、弓田は背番号２をつけ、本職ではない右翼で出場している。「位置はどこでもいい。何とかチームの力になりたい。そして自分も甲子園で試合に出たい」。与えられた場所で全力を尽くし、聖地をたぐり寄せる。【永野高輔】