<高校野球和歌山大会:紀北工12-11桐蔭>◇23日◇準々決勝◇紀三井寺公園野球場

 和歌山唯一の大会皆勤校、桐蔭の主将、坂本雄冴外野手(3年)の夏が終わった。桐蔭は、旧制和歌山中時代の第1回大会から、今大会まで一度も途切れることなく、地方大会に出場し、全国の頂点にも立ったことのある伝統校。その野球部で主将を務める坂本は「あっという間だった」と涙をぬぐいながら、最後の試合を振り返った。この試合先発から外れていた坂本は、最後の瞬間を三塁コーチとして見守っていた。「あと1点が遠かったです」。紀北工との試合は、序盤から点を取り合う乱打戦に。9回、桐蔭最後の攻撃で、2点を奪うものの11-12であと1歩届かなかった。

 坂本は、中学時代の野球部顧問が桐蔭出身で、一緒に高校まで練習を見に行き、入学を決意した。その時の様子を「選手の姿を見て何かひかれるものがあった。縁を感じた」と感慨深く振り返った。

 100回記念の今大会では、皆勤校の15校の主将が、甲子園での入場行進に招待されており、坂本も桐蔭の代表として甲子園を歩く。「本当は全員で行きたかった。皆の思いを背負って、堂々として行きたい」と坂本は涙ながらに前を向いた。【鶴屋健太】