中央学院(西千葉)がチーム一丸で春夏連続の甲子園行きを決めた。夏は初めて。5月に頭部に打球を受け戦線を離脱していた投打の軸・大谷拓海投手(3年)が躍動した。1回の先制打に加え、同点の4回には右翼席へ勝ち越しソロを放った。回復途上でマウンドには立たず、右翼でゲームセットを見届けた大谷は「最後の1球までしっかり対応できていた」とチームメートを称賛した。

 相馬幸樹監督(38)は「大谷が抜けて苦しかった。でも、お互いをサポートし合いひとつになった」と目を細めた。大黒柱を失ったチームは路頭に迷いかけたが、池田翔主将(3年)を中心に「残った選手で勝ち抜く」と話し合い、夏に向かった。池田はセンバツで対戦した明徳義塾の動画を毎日見て配球を反省。西村陸投手(3年)は毎日約180球を投げ込んで制球力を磨き、大谷の穴を埋め優勝投手に成長した。

 6月下旬、相馬監督が選手たちに披露したビデオの最後のメッセージは「春の忘れ物を取りにいこう。待ってろ明徳」。明徳義塾が敗れリマッチはかなわなかったが、全員野球で勝利を取りにいく。【保坂淑子】

 ◆中央学院 1970年(昭45)創立の私立校。生徒数1007人(女子440人)。野球部創部は71年。部員78人。甲子園は春1回、夏は初出場。主なOBに元巨人古城茂幸、元ヤクルト押本健彦ら。所在地は千葉県我孫子市都部765。横田一弘校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦10-1松戸馬橋

3回戦7-0市川南

4回戦10-4八千代東

準々決勝4-3八千代

準決勝6-5習志野

決勝6-2東京学館浦安