全国高校野球選手権大会に2年ぶり11度目の出場を決めた中越(新潟)ナインが26日、新潟県庁を訪問。公務で不在の花角英世知事(60)に代わって対応した溝口洋副知事(52)に、県大会優勝の報告と、甲子園での抱負を話した。この日、中越は甲子園のベンチ入りメンバー18人を発表した。

 県大会優勝メダルをかけた制服姿の中越ナイン21人が、本田仁哉監督(41)らとともに県庁庁議室を訪れた。「初めて来たので緊張しました」。小鷹葵主将(3年)が言うように、ナインは一様に硬い表情だった。

 歴代の甲子園出場校、そして一昨年、現3年生が1年生だったときの先輩たちが訪れた場所。「テレビで見ていたところに自分たちがいるんだと思った」(小鷹主将)と、グラウンドとは異なる空気に戸惑いがあった。

 それでも溝口副知事を前に、小鷹主将は「(県大会で負けていった)ほかの高校の仲間たちの思いを背負って、堂々とプレーします」と力強く誓った。奈良出身で、「天理や智弁学園の試合を子どものころから見ていた」という溝口副知事は、「臆せず、誇りを持って戦ってください」と激励。そして「今度は優勝旗を持って県庁に来てください」と最大級の期待を言葉にした。

 小鷹主将は「あらためて新潟の代表として甲子園で戦うという気持ちになった」と表情を引き締める。29日まで自校で調整した後、30日に甲子園入り。「粘り強く、集中した中越の野球をする」と誓いを新たにした。【斎藤慎一郎】