「右打ちの右田」ここにあり! 2-2の7回1死二、三塁で、二松学舎大付(東東京)・右田がこの日2本目の右前打を放ち勝ち越しに成功。右田は一塁上で喜びを爆発させた。「初球からいくタイプ。外だけを待って、右方向を狙っていた。一、二塁間を抜けた時はすごくうれしかった」。4番保川も適時打を放ち、この回3点を追加した。

 ソフトバンク内川に憧れるリードオフマンは「小学校の時から『せっかく右田なんだから右打ちを練習しろ』と言われてきた」と明かす。「右の腰にボールをぶつけにいく」イメージで、緩い球を引き付けて打つ練習を繰り返した。東東京大会は「連覇」のプレッシャーを感じたが、甲子園に来て重圧から解放された。「楽しんでいこうと思えた」と無邪気に笑った。

 母校で指揮を執る市原勝人監督(53)は82年センバツ準優勝時のエースだった。監督就任後、夏は14年に初出場し今回が2年連続3度目で「今年は終盤に粘れるチーム」と話す。昨夏は3回戦負け。当時1年生だった右田は3年生と並び、ベンチで泣きじゃくった。「ベスト8を超える。次も右へ思い切り打ちたい」。こだわりの一打で勝利に貢献する。【和田美保】