日大三(西東京)が金足農(秋田)のエース吉田に抑え込まれ、7年ぶりの決勝進出を逃した。三振は7で、5戦連続の2ケタ奪三振は阻止したが、1得点と沈黙した。小倉全由監督(61)は「『低めはいらないよ』と言ったが、低めの変化球に手が出てしまった。スライダー、スプリットとキレがいいんだと思います」と唇をかんだ。

 投球術に屈した。前日19日の練習では、マシン打撃の球速を「150キロ」に設定。速球対策を講じたが、この日は130キロ後半~140キロ前半の直球、変化球をコーナーに集められ、タイミングを外された。小倉監督は「直球で押さず、変化球をうまく使われた」と分析。金子は「想像と違った」と首をひねった。

 終盤には、ギアを上げる本来の投球に押された。7回2死では、佐藤英が147キロの直球を見逃し三振。9回にはこの日最速の148キロをマークするなど、力勝負で押し込まれた。8回に大塚が意地の適時打を放ったが、反撃及ばず。小倉監督は「得点圏では強い真っすぐが来る。素晴らしい投手」と脱帽した。

 攻守でチームをけん引した日置主将は「意地で投げているように見えた。チャンスで1本出ずに、悔しいです」と涙を流した。大学進学を希望しているとみられ、新たな舞台での雪辱を誓った。【久保賢吾】