第71回秋季高校野球静岡県大会(15日開幕)に25年ぶり6度目出場の星陵(東部5位)は、1回戦で浜松市立(西部3位)と対する。3番捕手の望月彩豊(あやと)主将(2年)を中心に強化してきた打撃力を発揮し、まずは県1勝を目指す。

両翼98メートル、中堅122メートル。甲子園球場(95メートル×118メートル)よりも少し広いグラウンドで、星陵の選手たちが活気ある練習を重ねている。その中心が望月だ。「はじめは力がなかったのですが、勝ち上がっていくうちに打力もモチベーションも上がり、いいチームになってきたと思います。まずは県1勝を目指します」。

敗者復活4回戦で富士を12-5で下し、望月は「勝つ楽しさを知り、静かだった選手も元気になってきました」と話す。1年秋から右翼でレギュラー出場し、今夏も背番号2をつけた。経験豊富で東部地区大会を振り返り、「投手に声を掛けたり、主将で捕手として緊張せず、リラックスしてできたと思います」。就任24年目の加藤秀明監督(59)にも「試合でもいいタイミングでタイムを取るし、よくまとめています」と言わしめている。

打力強化も実を結んだ。8月4日の清水桜が丘(中部2位)との練習試合で、敦賀渉投手(2年)を打てなかったことをきっかけに、フリー打撃でマシンを2メートル以上前に出して、「強く振る」ことを徹底した。結果、各自の打力が底上げされ、試合でビッグイニングを作れるようになった。

望月自身は打撃不調のまま大会を終えたが、「迷惑をかけた分、県大会では、しっかり走者をかえせるようにしたい」と意気込む。頼れる主将が、バットでも存在感を示す決意だ。【鈴木正章】