南支部の新潟県大会出場校8校が出そろった。長岡大手は高田北城に11－1の5回コールド勝ち。2－1で迎えた5回は無死のまま、大量9点をもぎ取った。9－1の無死満塁でコールドを決める2点中前打を放った和田森蒼左翼手（2年）は、この回2安打。3打数3安打、3打点と暴れた。

打線が途切れなかった。長岡大手は2－1の5回、“出塁ラッシュ”を見せた。打席に立った11人全員が出塁し、無死のまま一気に畳みかけた。先頭の芝稀平内野手（2年）が中前打で塁に出ると、続く和田森が投手前にバント安打。この回2度目の打席が9－1の無死満塁のシーンで巡ってきた和田森が中前2点打でコールドを決めた。この回7単打に3四死球、1野選で一挙9得点を奪った。

「走者をかえして、点を取るのが自分の役目」という和田森は3番打者の役割を完璧に果たした。1－0の3回無死一、三塁では、きっちり中堅への犠飛を放つ。この日は3打数3安打、3打点の大暴れ。初戦の2回戦小出戦（6○3）は5打数2安打で支部予選の打率は2試合8打数5安打の6割2分5厘だ。背番号7で投手の一角も担い、小出戦は3番手で4回投げて被安打3の1失点（自責0）。それでも「打撃の方が好き」と言った。

長岡大手が8強入りした今夏は背番号10をつけた控え投手だった。優勝した中越との準々決勝も2番手で3回を投げた。新チームの投手の柱に期待されていた。ところが1、2年生のチームに切り替わった時に背番号1を目指さなかった。夏休みの練習前後の自主練習は素振りに費やした。鈴木春樹監督（47）は高田北城戦で「お試し期間」と和田森を含む5投手の中から左腕の上村健投手（1年）を投入したが、背番号7はマウンドより打撃優先に考えていた。「県大会もチャンスに打ちたい」。和田森の口を突いて出るのは打撃に関してだけだった。【涌井幹雄】