智弁和歌山が逆転勝ちで、2年連続15回目の優勝を決めた。

今夏の甲子園を最後に高嶋仁監督(72)が勇退。コーチから就任した元阪神の中谷仁監督(39)は、監督として初優勝となった。

5回までに5点差をつけられる苦しい展開だった。5回終了後の整備中、中谷監督は選手たちに「絶対甲子園行くんやろ、ここで負けられへんぞ!」とゲキ。「高嶋先生ほど鋭いゲキは飛ばせないですが」と中谷監督は笑ったがナインは発奮するかのように、0-6の6回に2番西川晋太郎内野手(2年)の右越え二塁打から一挙5安打5得点を奪った。5-6と1点差に追いついた7回1死一塁で、4番東妻純平捕手(2年)が左中間へ決勝本塁打。終盤の猛攻で逆転勝利を決めた。

中谷監督は試合後「(敗戦を)覚悟しました」と苦笑いしたが「この夏から出ていた主力メンバーも残っている。高嶋監督が育てた選手たちが引っ張っていってくれるので頼もしいです」と話した。

次に臨むのは3年連続23回目の出場となる近畿大会。「まず和歌山で1番になって、近畿大会で優勝することが目標だった。第1関門を突破しました」と近畿大会でも目指すのは優勝だけ。主将の黒川史陽(ふみや)内野手(2年)は「先を見ずに1戦1戦戦っていって、大阪桐蔭と近江(滋賀)を倒して神宮大会に行きたいです」とこれまでの甲子園で敗れた2校に雪辱を誓った。