桐蔭学園(神奈川2位)が春日部共栄(埼玉1位)を下し、24年ぶりの3度目の優勝果たし、明治神宮大会への切符を手にした。

ヒーローは1回戦の常総学院(茨城1位)戦でサヨナラ満塁本塁打を放った森敬斗主将(2年)だ。勝ち越しの3ランを含む3安打2本塁打5打点の活躍を見せた。

3番森は1回1点を先制し、なお無死一塁の場面で高めの直球を強振。打球は右翼席へと吸い込まれた。この勢いに4、5、6番も続き、先頭から6連打するなど初回に一挙5得点を挙げた。同点に追いつかれて迎えた6回には2死一、三塁で、今大会3本目となる勝ち越しの右越え3ラン。主将の一振りが試合を決めた。「ホームランを打ってもまだ先はある。油断はしてはいけないと思った」と冷静だった。

今大会好調の要因には精神的成長がある。分岐点は県大会決勝の横浜戦。自身の遊撃守備での悪送球から流れを崩し、2-11と大敗した。「(片桐)監督から『気持ちの波があったらこの先はないよ』と言われた。自分の気持ちをチームに対して出さないように、少しでも変えようとした。自分の欲が出ると、悪い方に悪い方にいくので」とフラットな気持ちで試合に臨むように修正した。

連日の主将の活躍で強い桐蔭復活を印象づけた。「関東大会で桐蔭の名をもう一度世に出せたかなと思う。負けてるとは思っていないが大阪桐蔭の方が有名なので。桐蔭学園として甲子園に出たい」と力強く言った。センバツの前に全国を勝ち抜いた強豪を相手に名を挙げるチャンスはまだある。強い桐蔭復活を願うOB、ファンのためにも明治神宮大会は負けられない。