第49回明治神宮野球大会(9日開幕、神宮)高校の部に初出場する札幌大谷が5日、神奈川・伊勢原市内で約4時間の練習を行った。初戦の龍谷大平安戦(9日)に向け今日6日、平塚学園(神奈川)と開幕前最後の実戦を行う。全道大会出場ゼロの青山弥稜(みたか)三塁手(2年)は先発出場が濃厚。本番前ラストアピールの場で結果を出し、弾みをつける。

気迫が違った。ノックでは青山がチームで一番大きな声を出し、もり立てた。何度も「もう一丁!」と雄たけびを上げ、五十嵐大コーチ(31)に「ケガするからもうやめよう」と言われるまで、ボールに食らいついた。「みんなをもり上げるのも僕の役目。そういうところからやっていかないと試合に使ってもらえない」と前を向いた。

公式戦出場は今秋の札幌地区予選代表決定戦での途中出場のみ。全道大会は背番号16でメンバー入りも、出番はなかった。「何とかチームに貢献する働きをして、神宮大会に出たい」。3兄弟の末っ子で、兄2人も札幌大谷OBだが、全国大会には届かなかった。今大会は初めて1ケタの5番を与えられており、遠征前に長兄睦弥(むつき)さん(23)に「このチャンスを逃すな」と激励された。

3日の練習試合、創価戦(東京)ではチーム唯一の打点を挙げアピール。165センチ、75キロと、むっちりした体形だが、左右前後の反応が良く船尾隆広監督(47)は「守備に安定感があり、勝負強い打撃も出てきた」と言う。打って守って声を出す。自身の武器をすべて出し切り、レギュラーの座をつかみ取る。【永野高輔】