静岡の絶対的4番として2度のセンバツ出場に貢献した成瀬和人内野手(3年)が13日、東都大学リーグ1部優勝27回の名門・駒大法学部にスポーツ推薦で合格した。成瀬は「駒沢でレギュラーの座をつかみ、東都リーグで首位打者を取れる選手になりたい」と抱負を語った。

1年秋から静高の4番を任され、甲子園通算4試合で打率5割3分3厘、7打点を残した。内心では「自分は4番を打つタイプではないので、精神的にきつかったです」と苦しんでいた。今年6月には、静高の外部コーチとして打撃指導を行っていた、同校出身で日本ハムなどで活躍した元ヤクルトスカウト部長の小田義人氏が肺がんのため71歳で亡くなった。小田氏の指導を受けていた成瀬は「どんな相談にも乗ってくれた方でした。心のよりどころとしていたので、つらかったです」と話し、唇をかみしめた。

悲しみの中で迎えた最後の夏は4回戦敗退。甲子園出場はならなかったが「くよくよしてもしょうがないので」と、すぐに気持ちを切り替えた。今年8月には駒大の練習に参加。大学生のプレーを見て「体が大きいのに1つ1つのプレーにスピード感があって驚いた」と刺激を受け、「この環境で力を磨きたい」と卒業後の目標を定めた。

静高での3年間で、さまざまな苦難を乗り越えてきた。だからこそ「大学には恵まれた環境がある。それを利用しながら、プロ入りに向けて限界まで挑戦していきたいです」と力強く話した。【河合萌彦】

◆成瀬和人(なるせ・かずと)2000年(平12)7月12日、掛川市生まれ。小4から土方野球少年団で野球を始める。城東中では、3年春にエース兼4番として県8強。右投げ右打ち。177センチ、79キロ。家族は両親と兄。血液型A。