昨夏の甲子園100回大会は空前の盛り上がりを見せたが、2019年も高校野球を熱くする選手が数多くいる。今年のドラフト候補選手を紹介で、今回は昨夏の甲子園でも存在感を見せた150キロ右腕の星稜(石川)・奥川恭伸投手(2年)です。

高校生投手の「ビッグ4」と言われる4人の中でも、奥川に注がれる視線は一層熱い。昨年春に甲子園デビューし、夏にはエースとして2試合に先発した。昨秋の明治神宮大会では快投の連続。広陵(広島)を7回11三振で完封し、相手の中井哲之監督に「お手上げ」と言わせた。全国の舞台ですでに能力の高さを証明済みだ。

昨年9月のU18で2年生で唯一日本代表入り。同部屋になった中日ドラフト1位の大阪桐蔭・根尾ら、メンバーとの意識の違いに気付かされた。その後の神宮大会でも冷静に自分を見つめていた。

「全ての球の精度を上げることが必要。それは神宮で感じました。今はストライクさえ取れれば、という考えで投げていますが、秋ならそれでよかったけど、これからは通用しない。ストライクゾーンの角に投げ分けられる精度ではないと。やることがいっぱいです。春までに、どこまでできるか。秋より成長したな、と言われたいです」。

年末は初めてチームで沖縄合宿に臨んだ。体力強化のメニューも多く課された。奥川個人にとっても柔軟性や肉体の進化は大きなテーマ。全国を肌で知る男は、レベルアップに集中している。「日本一を目指したい」。目標は明確だ。【柏原誠】

◆奥川恭伸(おくがわ・やすのぶ)2001年(平13)4月16日、石川県生まれ。宇ノ気小3年から宇ノ気ブルーサンダーで野球を始め、宇ノ気中では軟式野球部。全国中学校軟式野球大会で優勝。星稜では1年春からベンチ入り。今年は春夏連続で甲子園に出場。U18日本代表に2年生で唯一の選出。183センチ、82キロ。右投げ右打ち。