【第1試合(9:00)熊本西(熊本)-智弁和歌山(和歌山)】

21世紀枠で出場の熊本西はセンバツ初陣に挑む。昨秋の熊本大会では準決勝で熊本工に逆転勝ちするなど優勝。九州大会でも8強入りした。21世紀枠ながら、チーム力は通常九州4枠に入ってもおかしくないほどだ。

エースで主将の「大黒柱」、霜上幸太郎投手(3年)が勝利のカギを握る。新チーム発足と同時に捕手から投手へ。中学まで投手だった経験もあり、大黒柱を自ら買って出た。昨秋の大会では、5完投を含め全8試合のほとんど1人で投げた。冬のトレーニングでさらに体重も増え、フォームも安定。課題だったスタミナも改善し、マウンドでの力投でチームを鼓舞する。

打線では勝負強い4番の堺祐太外野手(3年)、3番霜上との中軸が得点源となる。末永駿外野手(2年)は昨秋の公式戦で打率5割2分6厘と、出場校主力選手中、2位の成績を収めた。センバツの舞台でどこまで実力を発揮するか。

昨年11月の練習試合、死球でチームメートを亡くした。悲しみを乗り越えつかんだセンバツの舞台となる。85年夏の甲子園に初出場したときは初戦突破。熊本出身選手で占める熊本西が、天国の45人目の部員にも贈るセンバツ初勝利へ挑戦する。

◆熊本西の主なOB、OG 女子柔道立山真衣、なぎなた選手の春山りんか、佐藤あき子

昨春準Vの智弁和歌山は2年連続13度目の出場。伝統の強打は今年も健在で、中谷仁監督(39)の甲子園初采配も注目だ。

チーム打率は出場校中2位の3割8分3厘を誇る。先頭に立つのがプロ注目コンビ、主将で黒川史陽内野手(3年)と東妻純平捕手(3年)。昨春準Vに貢献した2人は、今春の練習試合で本塁打を量産し打撃は絶好調。黒川の父洋行さんは上宮高校の主将で93年センバツV。親子2代でセンバツ制覇の偉業に挑む。チーム打率トップの綾原創太内野手(2年)や根来塁外野手(3年)、黒川と並び4季連続出場の西川晋太郎内野手(3年)ら切れ目のない打線は脅威。

投手陣は技巧派の池田泰騎投手(2年)と最速140キロの池田陽佑投手(3年)が中心。2投手の継投策で逃げきりたい。

◆智弁和歌山の主なOB 日本ハム西川遥輝、中日岡田俊哉、ロッテ東妻勇輔