球数制限よりも、連投制限にすべき-。日本高野連による第1回「投手の障害予防に関する有識者会議」が26日、都内の明治記念館で行われた。各界から12人の委員が出席し、持論を述べた。

高知県高野連理事長の山崎正明氏の意見が興味深い。まず、高知の現状を述べた。

「中央と地方で二極化しています。日本全体では、部員数が20人以下の学校が4分の1ですが、高知県では約半分の学校が20人以下です。さらに、3分の1が9人以下です」

部員不足にあえぐ状況で、新潟県が提唱したような1試合100球の球数制限を実施できるのか?

「100球は厳しいです。むしろ、連投を避けるべき。連戦もです」と訴えた。

「野球は格下が格上を倒せるチャンスがあるスポーツ。その原点は投手です。勝つことを目標にしながら、スポーツマンシップを貫くことが大事だと思います。それなのに、100球で投手が代わってしまったら、本当の喜びが味わえなくなるのではないでしょうか。野球離れが進むと思います」

球数制限の導入は厳しいという意見は、中学生の指導者からも聞かれた。日本中体連・軟式野球競技部専門委員長で、高崎市立榛名中野球部監督の土屋好史氏。

「中学の野球部は全国で約8000校ですが、平成30年度は1校平均20・6人です。これは、1年生から3年生まで入れてです。3年生が抜ければ、もっと減ってしまう。昔は、3年生を中心に試合をしていましたが、今は1年生も一緒にやって、やっと、という状況です。しかし、中1と中3では体の差が大きい。子どもたちの負担は大きくなっています。人数が激減している中、球数制限はチームにとって厳しいと、現場の声があります。大会の会期を伸ばすのか。それとも、参加校を減らすのか」と苦渋の表情だった。