昨夏の覇者でノーシードの中越が、昨秋4強の帝京長岡に3-0で勝った。左腕の古川宗弥投手(3年)が、被安打2の8奪三振で公式戦初完封をやってのけた。2回戦の上越総合技術戦(5-2)からの連続無失点イニングを14に伸ばした。
白い歯を見せながら中越の古川はマウンドを下りてきた。佐藤旦陽(あさひ)捕手(3年)とホーム付近でグータッチ。帝京長岡・最後の打者、羽賀睦斗三塁手(3年)を二直で仕留め、公式戦初完封を決めた。「ここはもう、MAXでいこうと思いきり投げた」。試合開始直後に降っていた雨はあがっていた。快挙を祝福する青空が悠久山野球場の上空に広がっていた。
古川の背番号は11。「この春は11番が躍動してやろう、と思っている」と気合を全身にみなぎらせている。力で押す左腕エース、菅井道(るうと)投手(3年)が昨年12月に左肘を手術。故障明けのエースを温存するため、タイプの違う左腕に多くの出番が巡ってきた。「最後は打者を焦らすため、直球のサインに3度首を振って直球を投げた」と打者との駆け引きにたけた頭脳派。打者の両足の位置で、打者の狙いを読み、コースに投げ分ける。
「春は全試合、継投でいこうと考えている」と話した本田仁哉監督(42)だったが、点差と調子を考慮し、この試合は9回まで古川に託した。4月29日の2回戦・上越総合技術戦(5-2)は先発し5回を1安打、7奪三振で無失点。この日は9回を投げ2安打、8奪三振。連続無失点イニングを14と伸ばしての、135球での初完封だった。
練習では打撃投手を打者20人まで務め、プルペンで100球を投げ込む。スタミナには自信がある。「(エース)菅井が戻ってきても自分が投げる、というような勢いでやっている」。古川は言い切った。【涌井幹雄】

