大船渡(岩手)の最速163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)が3日、今季初の公式戦に登板した。春季県大会沿岸南地区予選・住田戦に先発し、3回1安打無失点で4奪三振。最速は140キロだった。チームも17-2の5回コールドで勝利し、春季県大会(17日開幕)出場が決定。山あいの釜石市・平田運動公園野球場に集まった2800人が、新時代の球界を背負うであろう逸材の「令和初陣」を見届けた。

地元・釜石の藤原誠さん(42)妻瞳さん(37)長女朱里さん(12)の一家が、早朝3時半に入場列先頭に並んだ。「着いた時は真っ暗でした。近いからこそ、間に合うか心配でした。娘が高校野球ファンでどうしても佐々木君を見たいと」と誠さん。球場周辺に駐車した378台のうち、約8割(299台)が岩手県内のナンバー。東北6県のナンバーで約9割(342台)を占めた。首都圏からの車も19台。東京・町田市からキャンピングカーで訪れた男性(57)は「夜は釜石の道の駅に泊まりました。佐々木君を生で見たかった」と話していた。