青森山田(青森1位)の右腕・堀田賢慎(3年)が自己最速を3キロ更新する148キロをマークした。先発して7回5安打8奪三振無失点。躍動感あふれる投球フォームで盛岡四(岩手2位)打線を封じ、9-0の8回コールド勝ちを導いた。平野時矢内野手(2年)も自身初の1試合2本塁打を放ち、エースが抑えて4番が打つ理想的な試合内容だった。8強が出そろい、東北6県では唯一、岩手県勢が姿を消した。8日は順延となり、準々決勝4試合は9日に行われる。

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3回裏2死満塁のピンチにこそ、堀田の真骨頂だった。「おりゃあ」と打者に向かって叫びながらダイナミックに右腕を振り抜くと、相手4番を空振り三振。球場表示は、この日3度目の147キロだが、視察したプロ12球団のスカウトのうち、ロッテのスピードガンでは「148キロ」を記録。7回も2者連続三振で締めたエースは「目標は150キロを目指していますが、チームの勝利、優勝が最優先です。プロ野球選手になるだけでなく、しっかり活躍したい」。堂々と胸を張って、言い切った。

序盤は直球中心だったが、相手打線が狙っていることを感じて、中盤以降はスライダーなどの変化球を主体にする順応性も披露した。力を抑えた球を痛打される場面もあるなど課題も明確にし、今後の伸びしろも十分。「四球を2つ出したことが一番の反省。点を取られたら流れは変わってしまう場面で、狙って三振が取れたことは良かった」と自己採点した。

昨秋までは今春センバツ出場の八戸学院光星(青森)に公式戦3試合連続コールド負け。東北大会でも初戦敗退の悔しさが、堀田の発奮材料になっている。1日6食に食事量を増やして今春までに7キロ増の80キロに。体に合った筋肉をつけて、昨秋まで最速138キロだった直球も飛躍的に成長した。県大会では2年生右腕・小牟田龍宝が好投して八戸学院光星に勝利。今大会は世代別日本代表の1年生右腕・藤森粋七丞(いきなすけ)もベンチ入りし、刺激を受けている。

準々決勝では鶴岡東(山形1位)と対戦する。「1番をつけている以上、エースの意地を見せつけたい」。スカウト陣の評価も急上昇している最速148キロ右腕が、マウンドでさらに輝きを増すつもりだ。【鎌田直秀】