第101回全国高校野球群馬大会(7月6日開幕)の抽選会が14日、前橋市内で行われた。3連覇中の前橋育英を筆頭に、62チーム(連合チーム3)がしのぎを削る。選手宣誓を務めるのは、予備抽選で最後の62番目に「1番くじ」を引いた利根商の高橋晃生主将(3年)。桐生第一監督時の1999年に全国制覇した福田治男氏(57)がこの4月から指揮を執る同校。新監督が早速「福」を招いた?

  ◇    ◇    ◇

残りくじに「福」があった。予備抽選(本抽選の順番を決める抽選)で1番を引いた学校が選手宣誓を行う群馬大会。61番目の伊勢崎が引いても「1」は出なかった。会場にどよめきが起こる中、受け付け順の関係でオーラスの62番目に引いた利根商の高橋主将が「1」の札を掲げる。今大会のダークホースが、いきなり存在感を示した。

「1がなかなか出てこなかったので期待はしていました。選手の代表として(宣誓を)やりたい気持ちがあった。貴重な経験ができるので感謝したいです」

宣誓だけではない。大会でも台風の目となりそうだ。注目はこの4月から指揮を執る福田監督。1985年から昨夏まで桐生第一を率い、99年夏に全国制覇を果たすなど春夏合わせて計14度の甲子園出場に導いた名将だ。

福田イズムはチームに浸透している。投手は投げ込みを無理のない範囲で増やした。これまではブルペン投球が1週間で平日1回だったが、3回に。エース地野達哉投手(3年)は「張りが少なくなった」と効果を実感する。

就任直後の春季県大会では2回戦で敗れたが、強豪高崎健康福祉大高崎に0-2と健闘。名伯楽は「上位を狙える能力はある」と手応えを口にした。【片倉尚文】