全国高校野球選手権新潟大会の組み合わせ抽選会は22日、新潟テルサで開かれた。出場77チーム(85校)で、7月6日の開会式で開幕。順調に試合を消化すれば決勝は同24日だ。初戦の“超”目玉カードは昨秋の4強・関根学園と、昨夏の覇者・中越が激突する7月11日の2回戦。勝利校が大会「台風の目」になって上位に駆け上がるのは必至だ。今春は初戦で小千谷に2-3で負けた関根学園は、安川斉監督(59)が今夏限りで勇退。有終の初甲子園を一気に狙う。

   ◇   ◇   ◇

会場がザワついた。関根学園の主将・吉原玲皇(れお)捕手(3年)が右手で引いた番号札の数字「70」を、読み上げた直後だった。隣に下がっていたボードの学校名は中越の文字。強豪同士の激突が実現した。吉原主将は「引いたときはビックリしたけれど、今はやってやるぞ、という気持ちです」。相手の中越は、夏の勢いをつけるには絶好の相手だ。

関根学園は今春、エース左腕の碓井蓮斗投手(3年)を左ひじ疲労骨折で欠いていた。エース不在のゲームは痛手で、昨秋の4強は初戦で姿を消した。しかし、敗戦は逆に強烈なカンフル剤になった。春は一塁コーチを務めていた内山良太左翼手(3年)は現在、打撃の中心。4番打者に成長した。春に先発した藤村司(3年)投手は公式戦初登板だったが、今では計算できる投手の1人だ。「春の負けは糧。プラスに考えた」と、吉原主将は初戦負けからのチームの活性化を明かした。エース碓井も夏には戻ってくる。

春以降の練習試合約20試合は、ほとんど負け知らず。春季北信越大会前には、同大会に出場する都市大塩尻(長野)に11-10、富山国際大付にも2桁得点で勝っている。「チームは打撃の調子がいい。対戦相手も決まって、いい雰囲気作りができる」と吉原主将は言う。関根学園の夏の最高成績は14年の準優勝。今夏限りで勇退する安川監督は「何とか…」と話したが、選手たちは春の初戦敗退から、夏の頂点を視野に入れている。吉原主将は「春は初戦で負けたからこそ、夏は勝つ」と口調に力を込めた。【涌井幹雄】