9年ぶり8度目の甲子園出場を目指す古豪・成田(千葉)が23日、同校グラウンドで関東一と練習試合を行った。

試合は、0-1で敗れたが、左肘の故障から復帰したばかりのエースの杉田翔夢投手(3年)が先発。関東一の強力打線から9三振を奪い完投した。杉田は「今日は真っすぐがコースに決まっていた。あとは変化球を調整するだけ」と手応えを話した。

肘に違和感を感じたのは4月1日、練習試合で完投した後だった。その後、春季千葉県大会初戦の千葉黎明戦で抑えで2回を投げるも痛みを訴え、以後、5月25日の練習試合までリハビリの毎日を送っていた。6月16日、松山との練習試合で今季初完投し、この日も完投。「もう肘は全く痛くないです。完投して体の疲労も感じない。体力も戻ってきた。夏の大会ではしっかり完投勝利でチームに貢献したい」と完全復活を宣言。尾島治信監督(50)も「杉田の持ち味の真っすぐが戻ってきた。これだけ投げられれば安心」と胸をなで下ろした。

試合後には、選手、女子マネジャー、保護者が集まり、サプライズで尾島監督の50歳の誕生日を祝った。6月17日が誕生日も、チームの事情でお祝いができず。1週間遅れのバースデーパーティーとなった。選手たちが歌うバースデーソングに合わせデコレーションケーキのロウソクを「フゥー」っと吹き消すと、全員が笑顔で拍手。尾島監督は、選手からコーヒーセット、灰皿、スポーツメーカーのサンダルのプレゼントを渡されると「ありがとう。うれしいよ」と満面の笑みを見せた。

厳しい練習から、ほんのつかの間解放され、監督、選手たちの最高の笑顔であふれたグラウンド。山本翔太主将(3年)は「監督への本当のプレゼントは甲子園。夏、優勝して監督を甲子園に連れていきます!」と誓った。

夏の大会直前でのエース復活に、監督、選手の気持ちを1つにした誕生日会。成田は万全の状態で大会を迎える。