高校野球特集の第4回は「東海・北陸編」の注目選手を紹介する。中京学院大中京(岐阜)の藤田健斗捕手(3年)は今春のU18日本代表候補合宿で大船渡・佐々木とバッテリーを組んだ。163キロの経験を糧に、さらなる成長を期す。

傷は癒えても、感触が消えることはない。「163キロの衝撃」を経験した中京学院大中京・藤田には目標がある。甲子園出場、そして再び怪物右腕とバッテリーを組むことだ。

4月のU18日本代表候補の国際大会対策研修合宿。紅白戦で大船渡・佐々木とバッテリーを組み、歴史的1球を体感した。「目も体も追いつかなかった。怖かった」。左手に裂傷を負い、完治まで1カ月も要した。「次は大丈夫。ちゃんと捕れると思います」と腕をぶす。

他の捕手陣とも交流を深め、同世代の一流選手の意識の高さを目に焼き付けた。「学んだことはすぐにチームに伝えました」。貴重な経験を還元し、春季県大会に優勝。タレントぞろいの中で4番を打ち、強肩も自慢。好投手を複数擁する同校のキーマンだ。3年ぶりの聖地へ、今度は自軍投手を引き立てる。【柏原誠】