全国高校野球選手権新潟大会の1回戦は今日8日から始まる。昨夏の4回戦で優勝候補・日本文理に勝った新潟は、新潟市鳥屋野野球場で新津南との初戦を迎える。県教員採用試験の会場になっている同校は、1回戦前日の7日は登校不可。新潟東を借用して最終調整を終えた。

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不利な条件も新潟ナインには「弱点」にならない。同校が県教員採用試験の会場になっているため7日の最終調整は新潟東の施設を借用。練習環境が変わっても、高い集中力は変わらない。室内で打撃練習を40分間。グラウンドが空くとシートノック、連係に40分。主将の中川颯太遊撃手(3年)は「いつも限られた時間内で密度の濃い練習をしている」と言う。開会式があった6日も採用試験準備のため午後3時下校厳守。学校に戻り練習できたのは約1時間だった。

普段も午後6時半には完全下校する。練習時間は2時間程度。そんな日々の練習メニューは選手自身が作ってきた。「自分たちに何が足りないのか。何が必要か。練習試合で出た課題を練習する」(中川主将)。メニュー作りにはアドバイスだけにとどめる後藤桂太監督(52)は「生徒たちが考え、練習を作り、実践していく。それが特徴」と話す。全員がチームの長所、弱点を共有する。

春は3回戦で北越に1-7で敗れると、翌5月3日から6月9日まで体作りに努めた。50メートル×40本ダッシュなどの走り込み。特打ちでスイングスピードを上げ、特守で守備力をつけた。打の中心・小室幹太一塁手(3年)は「自分は常に打たなければならない打者」と気持ちを引き締め、最後の夏に備えた。

8強入りした昨夏は4回戦で優勝候補の日本文理を5-3で退けた。15年夏は4強入りするなど短時間集中の練習は決して障壁にならない。「まじめに、謙虚に、努力したチーム」と後藤監督。「自分たちの目標は甲子園。いよいよ始まった」と中川主将は長い夏にする決意だった。【涌井幹雄】