部員11人の板柳が八戸東を5-4で破り、4年ぶりの夏白星をつかんだ。2年生エースで1番打者の佐々木聖虎(きよとら)が3回に自ら先制本塁打、投げては8回まで9奪三振4安打1失点。

9回に打ち込まれ、3安打とエラーで1点差に詰め寄られたが、兜森大生(だいき=2年)の好救援で逃げ切った。

佐々木聖の投打の活躍がチームを勢いづけた。同点の6回にはセーフティーバントを含む4連打に犠飛、スクイズを絡めて3点を挙げた。工藤達哉監督(31)は「つなぐ打撃がモットー。打てない時はバント。練習してきたパターンをやってくれた」とたたえた。部員不足で、昨年からほぼ同じメンバー。気心の知れたチームワークが光った。

9番の佐々木龍之介外野手(3年)は佐々木聖の兄。文豪と戦国武将のようなインパクトのある名前の兄弟が、小所帯の野球部を支える。3年生が抜ける秋には6人になり、連合チームにならざるを得ない状況。生徒数減少による高校再編計画もあり、単独チームは今大会が最後の可能性もある。夏は1951年から参加。89年まで3度、ベスト8の実績もある。佐々木聖は「よく『悔いはない』というが、負けたら絶対悔いは残る。残らないよう全力を出し切るだけ」と前を向いた。【北村宏平】