聖光学院が「下克上」の思いを胸に13連覇に向けコールド発進した。

斎藤智也監督(56)は「気力が充実して(初戦に)入れたのはよかった。例年より報道陣が多いけど、聖光の下克上を期待してくれてるのかな。今年はいつもと感覚が違う」と新たな気持ちで臨んでいることを口にした。

春は県北支部決勝で福島商に敗れ、県内公式戦の連勝が49で止まった。県大会も2回戦で東日本国際大昌平に敗れた。「この2カ月は選手もつらかったと思う」と斎藤監督。技術練習よりも、ミーティングに時間を割き、本音をぶつけあってきた。1回にチーム初安打の三塁打、2回にはランニング本塁打で勢いをつけた小室智希内野手(3年)は、「去年までと違い自分たちは力がないことを本気で自覚しないといけない」。栄光は過去のものとして、今大会に乗り込んできた。

先発の前田康孝投手(3年)は公式戦初登板で試合をつくり、後を継いだ2投手も0に抑えた。斎藤監督は「夏は特に投手陣には緊張感がある。いい経験になった」と実感を込める。6日の対外試合・盛岡大付戦では、萩田翔外野手(3年)が右手に死球を受け、全治3週間の骨折で登録を外れた。小室は「甲子園までいけば間に合う。絶対に連れていきたい」。負けられない戦いが続く。【野上伸悟】