今春選抜8強の龍谷大平安が西城陽と延長10回の激闘を制し、準々決勝に駒を進めた。

土俵際まで追い詰められるも王者の意地をみせた。1点ビハインドで迎えた9回裏、先頭の8番長畑海飛外野手(3年)が四球を選び出塁。犠打で二塁まで進み、1番水谷祥平外野手(3年=主将)が意地の右前適時打を放ち同点。「心の底から涙があふれてきた。初球は涙で球が見えなかった。ここで打たなかったら一生後悔すると思って打席に立った」と言う。

主将の熱い思いがチームに勢いをもたらした。10回裏、1死から連続四死球で一、二塁とすると、8番長畑海飛外野手(3年)がサヨナラ左前打を放ち、激戦に終止符を打った。「普段は82センチのバットを使っていたが、今日は80センチのバットを指2本余した」。と試行錯誤が一打を呼んだ。原田英彦監督(59)は「何度もまずいと思った」。と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

3季連続の甲子園出場へ。劣勢を跳ね返した勢いそのままに、頂点まで一気に駆け上がる。【山崎健太】