南北海道は、札幌国際情報が、2年ぶりの甲子園出場を狙う東海大札幌を3-1で下し、創部25年目で、3季通じ初の決勝進出を決めた。エース右腕の原田航介(2年)が9回7安打1失点完投と粘り、勝利に導いた。公立校の南大会決勝進出は14年の小樽潮陵以来5年ぶり。南大会では00年札幌南以来19年ぶりとなる公立校の甲子園切符を目指し、21日の決勝戦で2年連続出場がかかる北照と対戦する。

札幌国際情報の2年生エース、原田航がマウンドで躍動した。最終9回。先頭の小林珠を見逃し三振に切ると、右飛を挟み、最後の打者は投ゴロ。自ら一塁へ送球すると、右手を握り軽くジャンプして喜んだ。「1番から9番までいい打者がそろっているから甘い球は持っていかれる。とにかく低めをついていけたのが良かった」。9回7安打も要所を締め1失点でしのぎきった。

しっかり立て直した。初戦は札幌平岡を8回完投で6安打3失点。だが、北海との2回戦は2回3四死球4失点と崩れ、3回から8回途中まで背番号11の帯川にマウンドを譲った。8回から再登板も「下半身をうまく使えていなかった」と反省。映像を見て、上体だけで投げていることを確認した。休養日の19日、右足にしっかり体重を乗せる意識で50球投げ込み、この日の試合に臨んだ。

試合中も微調整した。3回に1点失い、2-1となると、元日本ハム投手の有倉雅史監督(52)から「カーブのときに腕が振れていない。ストレートのときより、強く振れ」と助言された。4回以降は無失点に封じた。有倉監督は「必要なことをすぐ理解し、取り入れられる選手。それは教えられるものではなく、もともと高い資質を持っていた」という。

バックにも助けられた。7回2死一、二塁の場面で左前打を許したが、原田拓の好返球で本塁タッチアウト。「守備に助けられ気持ちが引き締まった。次もチーム一丸で戦う」と感謝しきりだ。甲子園春夏11度出場の難敵を倒し、決勝では甲子園9度出場の昨夏王者に挑む。【永野高輔】