夏、9連覇を目指す作新学院(栃木)がベスト8に進出した。次戦は昨秋、今春2季連続優勝を果たした佐野日大との「天王山」に決まった。佐野日大の3季連続優勝が実現すれば、栃木では1995年(平7)-96年(平8)の宇都宮南以来の快挙だ。昨夏は同じ舞台で激突し、作新学院が13-1で圧勝している。

小針崇宏監督(36)は「敵は己」と言い切る。「全59チームが作新を倒しに来る。敵は相手に決まっているし、相手の方が間違いなく上。だが、本当の敵は自分たち。勝負に入って相手のことを気にしているようではダメ」。

その上で「相手は作新を全力で倒しに来るのに、お前らは何を倒すの? 甲子園優勝? その目標に負けているよ」と選手に厳しい言葉をかけ、心に訴えかけてきた。

マークをされているからこそ、もっと上のレベルの取り組みを求める。「妥協は負けに行くようなもの」。言葉で目標を言うことは簡単だ。「その練習どうなの? 昨日の自分に負けていない?」など気持ちや心構えを詰めて、毎年積み重ねていくチーム形成だ。「何を基準にしたらいいかわからないが『負けない練習をするぞ』と目に見えない目標と戦っている。毎日自分たちが敵」。

次戦の佐野日大との大一番にも「相手は意識せず、持てる力を全て出し切って、勝負どころ、球際にこだわる」と冷静に語った。【佐藤勝亮】