南北海道大会では公立校として19年ぶりの甲子園を目指した札幌国際情報は延長14回の末、3-4で惜敗した。

2年生エース原田航介が14回12安打3奪三振4失点(自責0)の力投。2点を追う9回裏1死二、三塁では左中間に2点適時打を放ち土壇場で追いついた。聖地まであと1歩のところで力尽きたが、3季通じて初めて道大会決勝に進出し輝きを放った。この悔しさを秋への糧にする。

   ◇   ◇   ◇

夢の聖地まで、わずかに届かなかった。延長14回の末、札幌国際情報は昨夏王者・北照の前に屈した。最後までマウンドに立ち続けた2年生エース原田航は「悔しいです。残念です」。クールな右腕は目に涙をためながらも、崩れることなく、しっかりと前を向いた。

まさに奮闘だった。初回にいきなり3失点したが、以降は修正して再三ピンチの場面をしのいだ。1-3の9回1死二、三塁では自ら左中間に2点適時打を放った。土壇場で同点に追いついたが、14回2死二塁から失策で勝ち越し点を与えた。それでも、北照エース桃枝と投げ合い、14回179球を一人で投げ抜いた。「桃枝さんも同じように投げていたので、疲れは関係ない。気持ちで投げました」と振り返った。

中学時代に所属した日高リトルシニアの浦川聡監督(53)と札幌国際情報の有倉雅史監督(52)はともに北海OBで2学年違い。中3年時に練習見学に訪れ「雰囲気や考え方が似てる」と進学を希望した。強豪私立校への進学も選択肢にあったが、塾に通い同校を目指した。同じチームの秋田、久保田も一緒に進学。有倉監督から「この3人がいれば勝負になります」と言われた浦川監督は「預かってもらって良かった」と成長に目を細めた。

貴重な経験を秋からの新チームに生かす。今大会は全4試合に先発し34イニング2/317奪三振12失点(自責7)。2年生ながら力強い投球でチームをけん引した。原田航だけではなく、この日は2年生5人が決勝の舞台を踏んだ。「僕たちの代で甲子園に出られるように頑張ります」。ベンチで大粒の涙を流す3年生の横で、2年生右腕が誓った。【西塚祐司】