日本先発の奥川恭伸投手(3年=星稜)は、7回をソロ本塁打による1点に抑える18奪三振の快投だった。

「実戦感覚も欠いていて、すごく不安だったんですけど、しっかりゲームをつくることができて良かった」と正直に切り出した。甲子園大会決勝まで戦った疲労を考慮され、1次ラウンドは登板なし。今大会初登板だった。

ブランクを感じさせなかった。初回にこの日最速152キロを記録。立ち上がりは、やや球が高かったが、2回以降は低めへのスライダーが面白いように決まった。「ブルペンでも投げていたので、苦労することはなかったです」と異国のマウンドも問題なし。くるくると相手打者のバットを回した。

圧巻は7回。6回を終えて90球だった。大会ルールにより、105球以上投げると、中4日を空けないといけない。大会最終日は8日。再び登板するには、14球以内で抑える必要があった。「104球以内と告げられていたので、次の投手に中途半端に受け渡したくないと思っていたので、絶対に14球以内で終わらせようと思ってました」。先頭を148キロで空振り三振。次は一ゴロ。最後も空振り三振の計13球で3者凡退に仕留めた。合計103球。リミットまで1球の余裕を残し、再び登板可能となった。

反省も忘れない。4回2死、4番の指名打者ディオダティに右翼へ先制ソロを許した。146キロ直球が高く入り、ライナーで運ばれた。「ホームランが悔やまれます。中途半端にいってしまった球なので、次はそういうことがないように」と口元を引き締めた。

6日は韓国戦が控える。奥川自身は投球制限により登板できないが「投げなくてもできることはたくさんあるので、どんな形でもチームに貢献できるよう、チーム一丸となって戦いたい」と強い気持ちを口にした。