米国は最後の追い上げもおよばず、5連覇を逃した。

野球大国の底力だった。2-0の9回。がけっぷちの2死一塁から、5番ハルターの強烈な打球が遊撃のグラブをかすめた。さらに6番ロモも中前に鋭くはじき返して1点差。「レッツゴー! U・S・A!」のコールが起こり、にわかに球場が米国を後押しするムードになった。

長打で逆転サヨナラの場面を作ったが、ブルガーが放った右翼へのライナーは捕まれた。ブルガーもロモもグラウンドに突っ伏した。米国ベンチは頭を抱え動けない。レゲット監督がベンチを出て、選手たちを抱擁してねぎらった。

レゲット監督は「タフで、惜しい試合だった。台湾にいいところで打たれてしまった。うちも一生懸命に打ったけど、とても守備がいいチームでした」と完敗を認めた。「大会を戦い抜いた選手たちを誇りに思う。金メダルを取れなかったのではなく、銀メダルを勝ち取ったんです」と穏やかな表情だった。