北越(新潟1位)は、上田西(長野1位)を3-2で破り、前身の北越商時代の1980年(昭55)秋以来の北信越4強進出を果たした。

北越は初回、佐藤圭遊撃手(2年)が重盗で本塁を突き先制。その後、同点とされるも、6回に佐藤圭の右前適時打で勝ち越し。7回にも追加点を挙げた。先発の阿部柚士郎投手(2年)は、10安打を浴びながらも、要所を抑え2失点完投。勝てば来春のセンバツ出場がほぼ確実となる準決勝は、日本航空石川(石川2位)と19日に対戦する。

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待望の一打だった。6回1死二塁、佐藤圭が初球を右前に運び、勝ち越しの適時打。5回まで1安打に抑えられていた上田西・阿部投手からの適時打に佐藤圭は一塁上で右手を高く突き上げ、ほえた。

足でも魅了した。初回2死一、三塁、3走の佐藤圭にベンチからは重盗のサイン。小島清監督(44)は、「必ず二塁へ投げると思った。もらったチャンスなので積極的に行こうと考えた」。その思惑通り、上田西・小林捕手が一走・本間圭の動きにつられ二塁へ送球すると、迷わずダッシュし本塁へスライディング。得意の機動力を存分に生かした奇襲で先制に成功した。

佐藤圭はこの試合に、対北陸(1回戦)の後悔を抱え臨んでいた。サヨナラのチャンスで三ゴロに終わり「あの場面、力んでしまった」。〃今日こそは俺が〃と意気込んだ一戦で、見事に結果を出した。

最速144キロの阿部投手を打ち崩しての勝利に「普段のトレーニングがつながったのかな」。日ごろ140キロ設定のマシン打撃に取り組んできた成果を発揮した。

北越は、来春のセンバツ出場がほぼ確実となる決勝進出まであと1勝に迫った。相手の日本航空石川には、プロ注目のエースで4番の嘉手刈(かてかる)浩太投手兼三塁手(2年)らがいる。「強い相手なのは分かっている。とにかく、がむしゃらにやる」。新潟王者の誇りを胸に大一番に挑む。