県勢2校はともに敗れ、来春センバツへの出場を確実にすることはできなかった。中京大中京(愛知1位)と対戦した藤枝明誠(静岡1位)は、投手陣が相手打線につかまり、5-12の8回コールド負けを喫した。

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藤枝明誠は1回に2点を先制したが、直後に先発・小林大我(たいが)投手(2年)の不安定な投球につけ込まれ、あっさりと逆転を許した。2番手の大石航投手(2年)も相手の勢いを止められず、4回までに6点のビハインド。5回に村松杏都主将(2年)の適時打などで2点を返す意地を見せたが、8回に突き放された。

相手のエースは、最速148キロを誇るプロ注目右腕・高橋宏斗投手(2年)。全国屈指の好投手に8安打を浴びせ、5得点したことに村松は「積極的にいきながら、甘い球をとらえることができた。自分たちのやりたい攻撃はできたと思う」と胸を張った。だが、大量失点して敗れた現実に対して「野手陣が、投手を楽にさせてやれなかった。今後は、守備面で投手陣を支えられるようになっていきたい」と話した。

今秋、チームは地区大会で4位に終わったことで危機感を持った。そこから県大会までの2週間、選手それぞれが私生活から気を引き締めた生活を送ることで、粘り強さが高まったという。その点に誇りを持つ主将は、夏に向け「今後も自分たちを変えるチャンスはいくらでもある。チャレンジ精神を忘れずにやっていきたい」と顔を上げた。【河合萌彦】