「明石のタテジマ」が甲子園に帰ってくる。今秋ドラフト候補の最速151キロ右腕・中森俊介投手、左の強打者・来田涼斗外野手(ともに2年)擁する明石商(兵庫)が、近畿地区代表校に選出された。

15時33分、グラウンドで楠田俊夫校長から吉報を受け取った。18年夏から4季連続、通算5回目の甲子園出場。中森と来田の2人は1年夏から“甲子園皆勤中”だ。昨年のセンバツ準々決勝の智弁和歌山戦では、史上初となる先頭打者弾&サヨナラ弾の離れ業を成し遂げた来田は「入学したときから5季連続が目標だった。まず4季目に出ることが出来てうれしい」とはにかんだ。

明石商といえば、昨年の甲子園での歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで話題になった、狭間善徳監督(55)。この日は、写真撮影中の教え子たちを遠目に鋭くも温かいまなざしを見つめた。「子どもたちとコーチ陣の頑張り。諦めず積み重ねてきた。選ばれてうれしい。センバツまであと55日。3月18日までになんとか戦えるチームにして準備したい。負け続けてきたOBの事考えたら、そいつらが後押ししてくれると思ったら頑張れると思う」。

狭間監督は、07年監督に就任後、16年センバツで甲子園に初出場し8強入り。着実に力を付け、昨年は春夏連続で4強進出と、関西を代表する強豪校を作り上げた。「(就任当初は)明石商が5回も甲子園出るなんで誰が思ったか。1回出たら逆立ちで日本一周すると言ってた。野球は怖いですね」。激戦区・兵庫を勝ち抜くチームを作り上げる苦労が身に染みているからこそ、喜びは大きい。

プロも注目する投打の主役、コメント力抜群の「名物監督」が甲子園に帰ってくる。