加藤学園(静岡)の扇の要・雨宮快成捕手(1年)は、昨秋の公式戦で全13試合に出場。42打数13安打(打率3割1分)、チーム2位タイの10打点を挙げる勝負強さを見せた。それでも、満足感はない。「県大会や東海大会など、上に進むにつれて打てなくなった。課題が残った」。特に内角を苦手としたため、今冬の打撃練習では内角への速球対策に時間を費やしている。

課題はリード面にもある。エース肥沼竣投手(2年)からは、前主将で正捕手だった林口泰地(3年)と比較して「まだ絶対的な存在じゃない」と辛口評価を受ける。「肥沼さんからの信頼はまだまだだと思う。林口さんからも、自分が引っ張るつもりでやらないと誰もついてきてくれないと言われたので、頑張りたい」と表情を引き締めた。

それでも、肥沼とは、バッテリーを組み始めた昨秋から何度も話し合いを重ね、「動きを見ただけで、投げたい球種が何か分かってきた」と手応えがある様子。故郷・長野県茅野市の友人からは「甲子園で暴れてこい」と背中を押された。「甲子園では、長野の代表としても臨みたい。東海大会よりレベルも上がると思うが、1球を大切にして勝ちにこだわりたい」と力を込めた。【河合萌彦】

◆雨宮快成(あめみや・かいせい)2003年(平15)10月24日、長野県茅野市生まれ。小堂見少年野球、諏訪ドリームボーイズを経て、加藤学園では昨秋から正捕手。右投げ左打ち。170センチ、70キロ。血液型B。家族は両親と兄2人。5歳上の次兄一成さん(拓大3年)は、元加藤学園野球部主将。

※「至誠」とは、加藤学園高の校訓で誠実で品位のある姿勢を示す。「全ての事は心からはじまる」を部訓とする野球部にも通じる言葉です。