青森県高野連は30日、独自代替大会「令和2年度夏季青森県高校野球大会」(7月14日開幕)の組み合わせ抽選会を青森市内で行った。

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三本木(青森)のスラッガー小田侑季外野手(3年)は、今年4月に他界した祖父にささげるアーチをかける。「自分にとって精神的な部分が課題でした。約10年間がんと闘ってきた祖父の姿を見て意識が変われたし、恩返しがしたい」。

病床で誓った甲子園出場の夢はコロナ禍で消えたが、道具を買ってくれ、軽トラックで毎回応援に来てくれた感謝の気持ちは、大きくなるばかりだ。「素振りとか筋トレとか基礎練習が嫌いだったんです。今は気持ちの入った練習、プレーが出来るようになった」と成長も自認する。

代替大会では2回戦からの登場で、八戸と弘前学院聖愛の勝者と対戦(日時と会場は後日決定)。「1年生の時から使ってもらった進歩を見せる大会。このメンバーで出来るのも最後。多くの方への感謝の気持ちを忘れずに、ホームランを打つだけでなく、多くの打点を挙げて勝利につなげたい」。高校通算20発を超える男が、勝利で亡き祖父も喜ばせる。【鎌田直秀】