新型コロナウイルスの影響で中止された今春センバツに出場するはずだった32校を招く甲子園高校野球交流試合(8月10~12、15~17日)の抽選会が8日、オンラインで行われた。各校1試合ずつ計16試合が組まれた。

10日の開幕戦は大分商-花咲徳栄(埼玉)に決まった。15日第1試合の履正社(大阪)-星稜(石川)は、昨夏甲子園決勝の再現。最終日の17日第1試合では大阪桐蔭-東海大相模(神奈川)と東西の“横綱対決”が実現する。全てが1試合だけの特別な試合。どっちも勝て-。

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東海大相模(神奈川)は11年から、夏の地方大会直前に大阪に乗り込み、大阪桐蔭と本番前最後の練習試合を行ってきた。門馬敬治監督(50)と相手の西谷監督とは同学年。お互いに勝利を目指す姿勢を尊重する間柄だ。11年に西谷監督からの申し入れで練習試合が組まれ、阪神藤浪が投げるなど、両校は切磋琢磨(せっさたくま)して高め合ってきた。

これまで公式戦での対戦はなかった。特別な大会で初の顔合わせとなり、門馬監督は驚きを隠せない。「31校分の1で大阪桐蔭とは。何か運命的なものを感じます。導かれた1試合。相模の伝統の新しい1ページになる試合にしたい」。

今年も5日に大阪で練習試合を予定も「この状況では無理と判断しました」と中止にしていた。甲子園での対戦に門馬監督は「最高の場所で最高の時間を戦いたい」と言った。「大阪桐蔭は高校野球界をリードする一番の学校。我々の目指している部分。その学校を相手に、選手には甲子園の土、風、においを感じながら戦ってもらいたい」。特殊な状況下でまみえる東西の実力校の勝負が、高校野球ファンの大きな注目を集めそうだ。【井上真】