全国制覇58度のバスケットボール部だけじゃない-。能代工が名門バスケ部伝統の「堅守速攻」そのまま、現校名で臨む最後の夏にまずは初戦を突破した。

初回先制パンチをエースが守り抜いた。1回裏、先頭打者から犠打を挟んで3連打。3、4番の連続ショット(適時打)で幸先良く4点を先取した。その4番エースの相原舞尋(まひろ)投手(3年)がマウンドでも緩急自在のパス(投球)で秋田北鷹打線を手玉に取った。最速126キロの直球と100キロ台のカーブで20キロの球速差を生み、27アウトのうち半数以上の15個を飛球死で奪った。完封目前の9回に連打で初失点したが、7安打1四球の最少失点で完投勝利。守備陣も堅く無失策と、初回のみの得点を守った。

能代西との統合により7日、来春から新校名は「能代科学技術」となることが正式決定した。6月7日に行われた秋田西との練習試合には、バスケ部員たちが友情応援に駆けつけた。競技は違っても「バスケ部は全国でも勝っているので、応援してもらって勇気になっている。県で優勝したい」(相原舞)と全国舞台をともに目指してきた仲間からのエールは、大きな励みになっている。

野球部の夏最高成績は過去5度のベスト4。16年には51年ぶりの4強入りで旋風を起こした。創部105年目で初の甲子園という目標はなくなったが、相原舞は「僕たち3年生にとっても最後の大会。悔いのないように、いい結果で終わりたい」。次戦は11日、昨秋地区予選で敗れた花輪との雪辱戦。「守備からリズムを作っていけるように、打たせて取りたい。秋のリベンジです」と闘志を燃やした。【佐藤究】