東北学院が1時間7分の雨天中断を挟んだ3時間28分のシーソーゲームを7－6で制した。3回表2死三塁から右前に先制適時打を放った渡辺昂幹（こうき）主将（3年）は「初回のチャンスで三振していたので、3番としての責任を持ってしぶとく打てた。雨の中でも集中力を切らさないで出来た」と泥まみれになった顔をぬぐった。

3回裏に4失点で逆転されて中断したが、直後の4回に門間陸斗外野手（3年）の右翼線2点適時三塁打で同点。5回に上田大貴捕手（3年）の右前適時打で勝ち越した。7回に再逆転を許しても、8回から登板した伊東大夢投手（2年）が9回1死満塁から左前2点適時打で3年生を救った。投げても2回無安打2奪三振で、外野にも運ばせない完璧な投球。渡辺主将も「（三塁手の）自分のエラーも絡んで逆転されてしまったので、後輩に助けられました」と感謝した。

昨春は東北大会に出場したが、夏は初戦2回戦で柴田に惜敗。秋も中部地区で東北に4－5と善戦したが、仙台にはミスで敗れて県切符を逃した悔しさも糧にした。「1球の大切さをテーマに練習してきたし、勝ち上がって東北大会に出て楽しみたい」。力を結集して勝ちきった笑顔は晴れやかだった。【鎌田直秀】

▽宮城農・佐藤翔馬内野手（3年＝2度の逆転適時打を放つも9回に自身の失策から逆転負け）「自分のエラーから負けてしまって申し訳ないけれど、3年生みんなで頑張ってきたので悔いはない。個人としては必死にやってきたことがヒット3本の結果になった」