龍谷大平安・奥村真大内野手が、高校通算19号、木製バットに変えてからは初となる本塁打を放った。プロを目指し、チームでただ1人、木製バットを握る。5回の第3打席。2死三塁から左翼へ2ラン。「木製は芯で当たると打った感触がないので、いい感触で捉えたとは思ったが、まさか入るとは思わなかった」と自身も驚きの1発になった。

第2打席で凡退後、原田英彦監督(60)からベンチのナイン全員に「しっかり踏み込んで打て」と声がかかった。監督の指示を頭に入れ、打席で体現した。

兄はヤクルト奥村展征。この日の結果には「ミスもしてしまったので、いい結果だけではなく反省を多めにすべての結果を伝えたい」と話す。兄からは、夏の甲子園大会中止が決まった際に励ましの電話をもらった。次の目標に向かって頑張ろうと、前向きになれた。兄に続く高卒プロ入りへ。実現した場合は「兄とは戦いたいので、同じチームにはなりたくない」と兄弟対決の夢を描く。「最後の試合まで全員で圧倒して勝つという目標でやっている。チーム一丸となり、つながりを持ってやっていきたい」と名門の4番の責任を果たす。【佐藤妙月】

◆奥村真大(おくむら・まさひろ)2002年(平14)6月18日、滋賀県出身。三雲東スポーツ少年団で野球を始め、甲西中では草津シニアに所属し、関西選抜、滋賀選抜を経験。龍谷大平安では1年夏からベンチ入り。50メートル6秒4。遠投100メートル。180センチ、80キロ。右投げ右打ち。