阪神矢野燿大監督(51)の母校・桜宮が、7回コールド勝ちで初戦を突破した。

4回、2点を勝ち越し、なおも2死満塁、主将で4番の穴山慶太外野手(3年)が初球をとらえ、左翼へ満塁本塁打を放った。「甘い球をしっかり振ろうという思いでした。うれしかったです」。これが公式戦初満塁弾。穴山は初回の先制適時二塁打に、5回ダメ押しの12点目の中前適時打と、この日3打数3安打6打点。主将の活躍で勢いに乗り、コールド勝ちを決めた。

北風和樹監督(59)は、矢野監督の就任パーティーで「お互い頑張りましょう」と桜宮と阪神の健闘を互いに誓い合ったという。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今夏の甲子園大会は中止に。つらい思いをした今年の高校3年生の球児たち全員に、甲子園球場と阪神から甲子園の土が入ったキーホルダーが贈られる予定だ。北風監督は「この代はいろいろ大変だったけど、恵まれている。いろいろやってもらって、ありがたいです」と感謝した。

主将の穴山は自宅待機で練習が出来ない間、LINEを通じて部員たちに気になった野球に関する記事を送り、気持ちを切らさないように努力した。その中には阪神や矢野監督のことが書かれた記事もあったという。「コロナでプロ野球も出来ていない中、プロの方も開幕に向けてやっていた。(自分たちの立場と)照らし合わせて、大阪大会に向けて出来ることをやってきました」。大先輩の姿を見本に地道に練習を重ね、初戦を突破した。