山形では、山形商のエース左腕・公平(こうへい)爽汰(3年)が6安打13奪三振の完封劇で、山本学園に7-0で快勝した。

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62年以来の夏制覇を狙う山形商に頼もしいエースが誕生した。高校で初めて「1」を背負った公平が公式戦初完封の快投を演じ、23日からの県大会に導いた。

4種類の変化球で相手を翻弄(ほんろう)した。序盤から中盤までは走者を背負う展開も、粘りの投球で要所を締めて状態を上げた。6回から2回は3者凡退。終盤は再び走者を背負ったが、「ランナーを出してから集中力を上げた」とギアチェンジ。9回2死一、二塁では低めの変化球で13個目の三振を奪うと、マウンドで拳を握った。「相手が振ってくれて、三振が取れてビックリ。打たせて取ることが自分のピッチング。低めに集めてテンポ良く投げたい」と次戦も意気込んだ。

同校は昨秋から老朽化した校舎の改築工事が着工し、約3年間は校内のグラウンドが使用できない。選手はバスなどで近隣施設に移動して技術を高めてきた。渋谷亮太朗主将(3年)は「練習時間が短くなり、施設の利用時間も決まっている。練習の切り替えや行動を早くして時間を確保している」と説明した。創部101年目の伝統校で夏1度の甲子園出場がある。23日は8強入りを懸けて九里学園と激突。白星を積み上げ、古豪復権の年にする。【相沢孔志】