元広島投手の紀藤真琴監督(55)率いる水戸啓明が豪快に10-0と6回コールド発進した。

初戦となる中央戦。1回裏に2点を先制し、さらに3回にも見せ場がやってきた。四球の走者を犠打で送り、左打席に6番打者の大貫翔真捕手(3年)。内角高めの真っすぐをコンパクトに振り抜くと、打球は94メートルの右翼フェンスを軽々と越え、スタンドに飛び込んでいった。主将でもある大貫の2ランでチームはがぜん勢いづいた。

この回、打者10人でさらに4点を追加した。大貫は、6回にも右前打を放ち、コールドのお膳立てを行った。

「手応えはバッチリでした。見逃せばボール球だったかも。バントで走者を送ってもらったから、自分で決めたかった。監督からも『お前が打て』といわれた」と大貫はさわやかに言い放った。

水戸啓明の前身、水戸短大付の「すごい先輩」(大貫)広島会沢翼とは、捕手というポジションも同じで、大貫にとってもあこがれの存在。「ユーチューブでキャッチングとか参考にさせてもらってます。あこがれです」と声をはずませた。

豪快発進に紀藤監督は、「上出来だけど、勝ってかぶとの緒を締める。対戦した中央さんの分まで戦う」とコメント。2年目監督は殊勝に次戦に気持ちを切り替えた。