赤点怖い9番の「打点王」が大暴れだ。弘前南が16安打12得点で百石を圧倒し、初戦から2試合連続コールド勝ちで16強入り。「9番中堅」の小林聡大外野手(3年)がこの日も2安打4打点と好調ぶりを発揮し、ここまでチームトップの6打点を稼いだ。

小林の勝負強い打撃が光った。4-1の3回2死一、三塁。カウント2-2からの5球目を振り抜き、中堅手の頭上を越える2点適時二塁打を放った。「日頃の練習から、2ストライクに追い込まれた状況を意識してやっています。練習の成果が出ました」。5回は流して左犠飛、7回は適時内野安打で加点した。

同校は市内有数の進学校で、文系の小林もオンとオフを切り替えながら文武両道に励む。ただ悩みの種は苦手の数学。「どの単元も全くですね。200点満点のテストで60点です(笑い)。赤点を取って、補習と試合が重なったらどうしよう。怖いですけど、祈るしかない」と苦笑いを浮かべ、今日20日の終業式で今後の運命を左右する? 通知表を受け取る。

次戦は23日、昨秋東北大会8強の東奥義塾と対戦する。「夏ベスト8がチームの目標。打撃で貢献することができたら」。数学で足りなかった得点は、打点で補■(ほてん)する。【佐藤究】

※■は土ヘンに真の旧字体