盛岡大付は花巻東との「岩手黄金カード」を4-0の白星で飾った。先発の石井駿大朗、エース大久保瞬(ともに3年)の完封リレーで2年ぶりの決勝進出を決め、3年ぶりの優勝に王手をかけた。一関学院は延長13回タイブレークで4番坂本章畝内野手(3年)がサヨナラ打を放って高田を破り、10年ぶりの王者を目指す。決勝は25日午前10時から、岩手県営野球場で行われる。

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盛岡大付はサイド右腕・大久保が快投した。4回2安打無失点の石井の後を受け、3-0の5回から満を持してマウンドに上がった。「最初は変化球が入らず苦しかった」と言いつつも、自信のある直球で押し、最速144キロを更新する147キロをマーク。過去の自分を超える速球を次々と投げ込んだ。

背番号1は「先発の石井がゼロでいい流れでつないでくれた。絶対に抑えないといけない」と同じ3年生右腕の好投に刺激を受けた。ライバル花巻東打線に対して四死球5と制球に苦しんだものの、打たせて取る投球で走者を背負っても得点を許さず。バックの好守にも支えられた。「ここまでいいピッチングができている。決勝でも粘り強く投げたい」と決意を語る。

打線は初回から投手陣を援護した。先頭が四球で出塁すると、2番渡辺翔真外野手(2年)が3球目の内角スライダーを捉え左翼へ先制2ラン。「あの打席はつなぐつもりで感触は良くなかった。『入ってくれ』と祈りながら走った」。渡辺の高校通算9号を皮切りに2、5回にも1点ずつ加点し、継投で逃げ切った。関口清治監督(43)は「2人の投手が頑張ってくれた。0点で抑えるのは予想していなかった。驚きの展開で勝てた」。ライバルを撃破した勢いで岩手王者を勝ち取る。【山田愛斗】